「プリゴジン,I.(1917~)」(ベルギーの物理化学者)

■化学賞(1977年 受賞)

【経歴】

1917年1月25日モスクワに生まれる。21年家族と共に西ヨーロッパに移住。42年ブリュッセル大学入学。47年同大学で博士号取得。62年ブリュッセル国際大学の物理化学および理論物理学教授。77年ノーベル化学賞受賞。2003年5月28日ブリュッセル市内の病院にて死去(享年86歳)。

【受賞理由となった業績や活動】

★〔受賞理由〕

「非平衡熱力学の基本をなす『散逸関数』を体系づけた業績」により、1977年ノーベル化学賞受賞。

スポンサーリンク

★〔その業績や活動〕

1977年ノーベル化学賞を受賞したイリヤ・プリゴジンは、生命現象をヒントに「散逸構造」と呼ばれるものを理論化したという。散逸構造とは「非平衡状態を維持し、自己組織化する生命体のようなもの」とも説明されているものだ。

その「散逸構造論」は、生命現象や社会構造、さらには経済現象にいたるまで、多くの現象が非平衡の状態にあることを示し、それらの秩序化のメカニズムに関する研究を大いに進展させることにもなった、というのだが…。

★〔「散逸構造論」でいう、非平衡で秩序化する構造って?〕

この世界…と言うより、この宇宙全体はひたすら「熱的死」に向かって、そこに限りなく近づいていく、とされている。つまり森羅万象、あらゆる自然現象は、「無秩序」が増加する方向へと向かっていくという。

それが熱平衡の状態「熱的死」ということなのだ。それは「熱力学の第二法則」で述べられていることでもある。別名を「エントロピーの法則」(無秩序増大の法則)ともいう。

たとえば、水を入れたコップの中に赤インクを1滴落としてみる。すると時間とともにインクは水と混じりあっていき、やがては水全体にインクが拡散していくだろう。最終的には水はピンク色になっているはず。これが「平衡状態」だ。

エントロピーでいうと、インクが1点にあるときが一番小さく、水全体に拡散したときが一番大きいということになる。

このように、全てのものはエントロピーが増大する方向に向いている、すなわち、宇宙は最終的には、均一な平衡状態に到達するというのが、熱力学で言われていることなのである。

しかし、である。この宇宙が、限りなく無秩序を増大させている一方で、その宇宙的な法則に反しているように見える現象もある。それが、われわれ「生命」という存在なのである。

この生命だけは、外部からエネルギーを取り入れ、生命でありつづけようとしている。「非平衡」でも一定の構造を保っているわけだ。

受精卵などは、その細胞が次第に分裂していき、より複雑な個体(秩序)が形成されていく。これは、コップの水全体をピンク色に染めた、あの拡散していった赤インクがこんどは凝集しはじめ、やがては1点の赤インクの滴へと変化するようなものだ。いわば、生命現象だけはエントロピーが減少しているのだ。

★〔「これだけは!」○×クイズ〕

次の設問に、「○か×か」で答えよ。

1.「『熱力学第三法則』のことを、『エントロピーの法則』ということもある」

2.「イリヤ・プリゴジンは、拡散現象をヒントに「散逸構造」を理論化した」

3.「1977年ノーベル化学賞を受賞したプリゴジンは、フランスの化学者だった」

答え:1.「×」、2.「×」、3.「×」

こんな記事も読まれています:


スポンサードリンク