「サンガー,F.(1918~)」(イギリスの生化学者)

■化学賞(1958年・1980年 受賞)

【経歴】

1918年8月13日グロスターシャーのレンドクームに生まれる。39年ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジで学士号取得。43年博士号取得。51年国立医学研究所員。58年ノーベル化学賞受賞。61年ケンブリッジ大学キャベンディッシュ研究所・タンパク質化学研究部長。80年2度目のノーベル化学賞受賞。

【受賞理由となった業績や活動】

★〔受賞理由〕

「インシュリンの構造決定」(1958年)、そして「DNAの塩基配列を正確に決める方法を発見した業績」(1980)により、ノーベル化学賞を2度受賞。

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★〔その業績や活動〕

インシュリンを最初に発見したのは、バンティングとマクラウドという人物で、両者には1923年ノーベル生理学・医学賞が贈られている。

そして、ここで取り上げているフレデリック・サンガーは、そのインシュリンのアミノ酸配列を解明したことで、ノーベル化学賞を受賞したのである。

まず1949年に、インシュリンが2本のポリペプチド鎖から成っていることを証明。さらに1953年までに、51個あるアミノ酸配列をすべて解明することにも成功したのだった。

こうして、インシュリンの構造がアミノ酸レベルでよりよく理解できるようになったのである。

その後、サンガーはDNAなど核酸の構造に関心をもちはじめ、今度はその塩基配列を決定づける研究と実験に明け暮れる。

そして、ついにDNAの塩基配列を明らかにする「ジデオキシ法」(サンガー法)を開発することに成功。これにより、2度目のノーベル化学賞を受賞したのである。

★〔糖尿病の特効薬である「インシュリン」とは?〕

現在、糖尿病の特効薬として世界中で用いられているのがインシュリンだ。

それはすい臓から分泌されるホルモンの一種で、摂取した栄養素のうち、ブドウ糖を血中から細胞に取り込んで、それをエネルギーとして利用したり、あるいは脂肪やグリコーゲンの形にして蓄えたりする際に、重要な役割を果たしている。

ところが、すい臓に障害が起きて、インシュリンが分泌されなくなる「1型糖尿病」という病気にかかると、いくら食べ物を食べても体がブドウ糖を利用できなくなるため、血中のブドウ糖濃度が高い状態が続いてしまう。こうなると、やがては昏睡状態に至り、それで命を落とす危険性も非常に高いのである。

だから、はじめてインシュリンがすい臓中に発見されると、さっそくウシやブタのすい臓からそれが抽出され、糖尿病患者に用いられるようになったのだ。だが、それには不純物が多く含まれており、また動物由来のため副作用も酷かったのである。

では現在、糖尿病患者に用いられているインシュリンに問題は?

大丈夫! 現在では、遺伝子工学の成果により、純度の高いヒト由来のインシュリンが大量に(しかも以前よりも安価に)造られるようになっているのだ。

★〔糖尿病(2種類)の原因と症状等についての豆知識〕

【1型糖尿病】ウイルス感染や自己免疫異常などによって、膵臓のランゲルハンス氏島のβ細胞が破壊されインシュリン分泌が欠乏すると発症(インシュリンの絶対的不足)。

どの年代でも発症しうるが、15歳未満の子供に多発。喉の渇き、多飲多尿、全身のだるさ、やせ症状などが急激に起こる。重症になるケースが多い。インシュリン注射が必要となる。

【2型糖尿病】インシュリン分泌異常(低下)やインシュリン抵抗性(相対的不足等)といった遺伝的異常に、「マイナスの生活習慣」(過食、偏食、運動不足、ストレスなど)が重なることで、無症状に進行(発病)していく。

日本の糖尿病患者の大部分は2型糖尿病。中年以降に太りだし、最初は肥満を除けば無症状で静かに進行。放置したまま進行すると、やがて糖尿病と診断されることに。症状としては、体重減少、疲れ易さ、無気力、おでき、かゆみ、性欲低下など。

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