「カルヴィン,M.(1911~98)」(アメリカの生化学者)

■化学賞(1961年 受賞)

【経歴】

1911年4月11日ミネソタ州セントポールに生まれる。31年ミシガン鉱業技術大学卒業。35年ミネソタ大学で化学の学位取得。37年カリフォルニア大学講師。41年同大学助教授。45年同大学準教授。47年同大学教授。60年化学生体力学研究所所長。97年1月8日死去(享年86歳)。

【受賞理由となった業績や活動】

★〔受賞理由〕

「光合成に関与する生成化物の生合成経路の研究、解明の業績」により、1961年ノーベル化学賞を受賞。

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★〔その業績や活動〕

「光合成」のことは、学校で習ったことがあるかと思う。ところで、その光合成には、「明反応」と「暗反応」とがあったことを覚えておいでだろうか。

それに、光合成と絡んで、「カルヴィン(カルビン)回路」という用語も、教科書には記されていたはずだ。そう、そのカルヴィンとは、ここで紹介しているノーベル賞受賞者のことだったのだ。

カルヴィンの研究していた時代(20世紀中葉)、すでにこうした2つの独立した反応があることは知られていたのだが、彼はその反応のメカニズム自体を説き明かそうとしたのだ。

光合成が起こる仕組みには、まだ謎が多かったのである。そこで、彼は実験にクロレラ(単細胞の緑藻)を用い、これに放射性炭素を含む二酸化炭素を与えたうえ(吸収させ)、光を短時間当てて、さらに熱アルコールの投入によって、その反応を止める、といった作業を進めていった。

こうすることによって、緑藻の中間生成物を一つひとつ確認していったのである。こうした地道な実験を根気よく続けていき、ついに二酸化炭素が糖になるまでの反応が「ひとつの回路」になっていることを、彼は発見したのである。それで、この回路は「カルヴィン回路(カルビン回路)」と呼ばれているわけだ。

★〔光合成の「明反応」と「暗反応」って、何だっけ?〕

「明反応」というのは、植物が太陽からの光エネルギーを吸収して、水を分解し、酸素を発生するまでの反応。もう少し専門的な言い方をすると、明反応は「光合成電子伝達反応」ということになる。要は、光エネルギーを利用可能な化学エネルギーに変換する過程ということだ。

「暗反応」のほうは、明反応で捉えられたエネルギーを用いて、二酸化炭素と水を結合させて、糖やデンプンのような炭水化物を生成させるまでの反応。

これも、専門的な用語を用いて言い直すと、「明反応で合成されたNADPHとATPを用いて,葉や茎などにある気孔を通じて取り込んだCO?(二酸化炭素)を還元し、それによってグルコースやデンプンを生成する反応」ということになる。

このように、「植物が光エネルギーを吸収して炭酸ガスと水から炭水化物を合成すること(炭酸同化)」が、光合成なのである。

★〔植物を食べることで、太陽エネルギーが取り入れられる?〕

植物の葉緑体がおこなっている「光合成」とは、「エネルギーのない炭酸ガスと水」を、太陽の光エネルギーを用いることによって、「エネルギーのある炭水化物と酸素」に変える反応ということだった。

二酸化炭素(炭酸ガス)+ 水→(光エネルギー)→炭水化物(デンプン)+ 酸素
だから、これは「光エネルギーから化学エネルギーへの変換」とも言える。この光合成の過程は、化学式をもちいれば、次のように示すこともできる。

6CO? + 12H?O + 光→C?H??O? + 6O? + 6H?O(?は小文字の2)

これは、人間が炭水化物を食べて、酸素を吸って、それを炭酸ガスとして吐き出したり、水蒸気やオシッコとして排泄したりしている生化学反応と、ちょうど逆の反応になっている。

つまり、植物(葉緑体)は光合成によって、光エネルギーを蓄え、われわれ動物は、その植物(葉緑体)がつくった炭水化物などの有機物を食べることでエネルギーを得ているのである。突き詰めると、われわれも太陽エネルギーによって生かされている身なのだ。

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