「スタンリー,W. M.(1904~71)」(アメリカの生化学者)

■化学賞(1946年 受賞)

【経歴】

1904年8月16日インディアナ州リッジヴィルに生まれる。20年インディアナ州リッチモンドのアーラム・カレッジ入学。29年イリノイ大学で博士号取得、同大学で研究助手と講師。31年ニューヨークのロックフェラー研究所入所。32年ニュージャージー州プリンストンの植物病理学研究所に移る。46年ノーベル化学賞受賞。48年カリフォルニア大学生化学教授。71年6月15日スペインのサラマンカで死去(享年66歳)。

【受賞理由となった業績や活動】

★〔受賞理由〕

「ウイルスと酵素の結晶化の研究」により、1946年ノーベル化学賞受賞。

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★〔その業績や活動〕

「ウイルスは生物か、それとも無生物であるのか?」ウェンデル.M.スタンリーの研究業績はその後、この議論を巻き起こしていくことになる。

彼がタンパク質や酵素を研究していた時代、それらを結晶化したり精製したりする技術は格段に進んでいた。そして、植物病理学研究所に身をおく彼は1932年、新たに「植物ウイルス」の分離純化を試みようとするのだ。

しかし、ウイルスというのは、生きた細胞の中でしか増殖できないことから、それを純粋な形で取り出すことなど、それまでは不可能と考えられていたのだった。しかし、スタンリーはそれを見事にやってのけたのである(1935年)。

タバコの葉が「モザイク病」という病気にかかることは知られていたが、この病気の葉から、スタンリーはタンパク質の結晶を取り出すことに成功。当時すでに確立されていた、タンパク質を結晶化させるのと全く同じ方法を用いてのことだった。それは細かい針状の結晶だった。

その結晶を水に溶かして、健康なタバコの葉に塗ってみると、あのモザイク病にかかることが確認された。つまり、そのタンパク質の結晶は、モザイク病の病原体となるウイルスそのものだったのである(ちなみに、スタンリーが結晶化したウイルスは「タバコモザイクウイルス」(TMV)と呼ばれている)。

このことから、ウイルスとは細菌などの微生物とは違って、細胞も持たず、ただ核酸とタンパク質とだけからなることが判明したのだ。それと同時に、ウイルスの結晶化も、その分離(単離)も可能であることが認識されたのであった。

こうして1946年、ウイルスと酵素の結晶化などの研究により、スタンリーはノーベル化学賞を受賞したのであった。

★〔ウイルスは、生物と無生物の中間的な存在?〕

この時代、ウイルスは細菌よりもさらに小さな病原微生物と推定されていたので、この発見は世界中の学者に大きな衝撃を与えた。ウイルスは生物同様、遺伝情報は持っているが、それ単独では増殖できない不思議な存在なのである。

現在、「ウイルスは生物と無生物の中間的な存在である」と捉えられている。

★〔「これだけは!」○×クイズ〕

次の設問に、「○か×か」で答えよ。

1.「ウイルスは、生きた細胞の中でしか増殖できない」

2.「スタンリーが結晶化したウイルスは、『サイトメガロウイルス』と呼ばれている」

3.「スタンリーは、『ウイルスと酵素の結晶化の研究』により、1946年ノーベル化学賞を受賞した、イギリスのウイルス学者だった」

4.「スタンリーが病気の葉から取り出したタンパク質の結晶は、細かい針状だった」

答え:1.「○」、2.「×」、3.「×」、4.「○」

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