シオニズムは、ユダヤ民族再生計画だった?

「シオニズム」とは、ユダヤ人のための独自の国家を建設し、それによって民族としての再生を図ろうとした思想、またはその運動のことをいう。具体的には、パレスティナに「ユダヤ人のための郷土」を作ることを目指したもの。

背景には、長きに渡るユダヤ人差別など、他民族から虐げられてきた歴史がある。

ちなみに、「ユダヤ人」という言葉は、厳密にいうと「ユダヤ教徒」のことを指しているのだが、これを一つの民族とみなし、「ユダヤ民族」として扱われていることも多い。

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第1回シオニスト会議は、テオドール・ヘルツェル(ユダヤ人ジャーナリスト)の呼びかけにより、スイスのバーゼルにおいて開かれた(1897年)。

「シオニズム」という言葉の中にある「シオン」とは、エルサレムにある丘のことを指している。亡国のユダヤ人にとっては、それは、「彼らが還るべき理想郷(故郷)」を指す象徴的な言葉でもあったのだ。

また「旧約聖書」の詩篇にも、旧約の時代からユダヤ人たちが、シオンへの強烈な思いを抱いていることを思わせる、次のような言葉が見られる。

「われらはバビロンの川のほとりにすわり、シオンを思い出して涙を流した」(「旧約聖書」詩篇第137篇1節)

およそ2500年の間の、積もりに積もった、ユダヤ人たちの「シオン」に対する強烈な想いが(時空を越えて)、1948年のイスラエル建国を実現させたとも言えよう。

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