「ブキャナン, J. M.(1919~)」(アメリカの経済学者)

経済学賞(1986年 受賞)

【経歴】

1919年10月2日アメリカ・テネシー州マーフリーズボロに生まれる。40年ミドル・テネシー州立大学卒業後、同大学大学院に進学。41年修士号取得、シカゴ大学大学院に移り、48年博士号取得。51年フロリダ州立大学教授。56年バージニア大学教授ならびに同大学トーマス・ジェファーソン政治経済学センター所長。69年バージニア州立工科大学教授ならびに同大学公共選択研究センター所長。83年ジョージ・メイスン大学教授。86年ノーベル経済学賞受賞。

【受賞理由となった業績や活動】

★〔受賞理由〕

公共選択理論を確立した業績に対して、1986年ノーベル経済学賞受賞。

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★〔その業績や活動〕

民主主義は、「多数決原則」という基本的な原則をもつ。ただ、民主主義での「全員一致」というのは、ややもすると「少数派優遇、多数派軽視」という矛盾にもつながってしまう。

こうした民主主義の矛盾を取り除き、「公共の利便」(全員一致の選択)を維持するには、政治の中に経済理論を適用していくことが重要である。だから、財政学の研究にも、経済学と政治学の両方を取り入れた考え方が必要になってくる。

こうした考えは、ジェームズ・M.ブキャナンの「公共選択理論」のベースになっていった。その、彼の「公共選択理論を確立した業績」に対して、1986年ノーベル経済学賞が贈られた。

彼は62年に、まず「公共選択の理論」という本を共著で出版。これは、「社会の構成員である個人個人が、固有の目的を最大限達成できるよう、選択行動していく過程」を経済学的に分析し、さらにその行動を政治学的に分析したものだという。

そうした考えをさらに発展させ、67年に「財政理論」を発表。こちらは、人や組織が、与えられた条件の中で、その選択(目的)を社会的な意思決定に変換していく過程を考察した内容となっている。

それまでの財政理論では、財政的決定は個人ではなく、国家あるいは政府に委ねられていたのだが、ブキャナンが提起した新しい方法論では、財政的決定を個人の選択によるものとした。

さらに、77年に「赤字財政の政治経済学」、78年に「ケインズ財政の破綻」を、それぞれ共著で出版。公共選択理論に基づいて、ケインズ派経済学を批判した。

80年には「公共選択の租税理論」を出版。個人の合理的選択行動の結果として、政府の課税権の制限などを分析した。

「公共選択論」とは、政治と経済の相互依存関係を考察しながら、政治現象を説明していく手段なのである。あるいは、経済学を政治学へ適用させた研究方法ともいえる。

★〔「これだけは!」○×クイズ〕

1.「ブキャナンは1986年、『公共選択理論を確立した業績』に対して、ノーベル経済学賞を贈られている」

2.「『公共選択論』とは、政治と経済の相互依存関係を考察しながら、政治現象を説明していく手段(学問)である」

3.「ブキャナンが提起した新しい方法論では、政治的決定を個人の選択によるものとした」

答え:1.「○」、2.「○」、3.「×」

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