「プルジナー,S.B.(1942~)」(アメリカの生化学者)

■生理学・医学賞(1997年 受賞)

【経歴】

1942年5月28日アメリカ・アイオワ州デモインに生まれる。ペンシルバニア大学医学部卒業。84年カリフォルニア大学サンフランシスコ校神経学教授およびウイルス学教授。88年同大学生化学教授。97年ノーベル生理学・医学賞受賞。

【受賞理由となった業績や活動】

★〔受賞理由〕

「病原体プリオンの発見とプリオン病の解明」により、1997年ノーベル生理学・医学賞を受賞。

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★〔その業績や活動〕

スタンリー・プルジナーは、狂牛病(BSE)やクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の原因となる「プリオン」を発見した業績で、ノーベル生理学・医学賞を受賞。

プリオンの発見と解明による医学的な寄与は、ノーベル賞選考委員会が受賞理由として述べた以下の言葉にも示されている。

「アルツハイマー病など他の痴呆にかかわる疾患の分子生物学的なメカニズムの解明に役立ち、薬や新しい治療法の開発に重要な知見を与えた」

「プリオン」という言葉は、日本でも「狂牛病」に関するニュースの中で度々登場したため、一般の人でも聞いたことがあるだろう。実は、この言葉自体、「感染性のタンパク粒子」という英語の頭文字から、プルジナーが造った造語なのである(proteinaceous infectious particle)。

ところで、当初(1982年)発表されたプリオン病原体の性質は、それは奇妙なものだった。なんとDNAやRNAといった遺伝子がないにもかかわらず、ただタンパク質だけで増殖するというのだから、まさにそれまでの「生物と遺伝子」の常識を覆す、そんな病原体のイメージがあったのだ。

それで、プルジナーの説は、多くの学者から「核酸(遺伝子)をもたない生物があるものか!」と徹底的に非難されたのだ。

ところが、その後の研究によって、プリオンというのは、もともと人間や動物の体内に、ふだんは無害のタンパク質として存在しているものであることが分かった。それが、構造に変化をきたし「異常型プリオン」になると、正常型のものを次から次へと異常型に変えていく、というのである。

こうして、蓄積過程のメカニズムが明らかにされたのだ。つまり、プリオンはウイルスや細菌といった、外来の病原体とは異なり、もともと体内にあるタンパク質が異常な構造となり、それが感染的に蓄積したものだったのだ。

★〔「異常型プリオン」の蓄積で、脳はスポンジと化す?〕

狂牛病に罹った牛の肉がこわいのは、その中に含まれる異常型プリオンに感染性があるからである。

「狂牛病」の正式名称である「ウシ海綿状脳症」(BSE)からも分かるように、異常型プリオンが蓄積していくと、脳組織を破壊していき、やがては脳がスポンジ状になってしまうのである。

★〔「これだけは!」○×クイズ〕

次の設問に、「○か×か」で答えよ。

1.「スタンリー・プルジナーは、『プリオン』を発見した業績で、ノーベル生理学・医学賞を受賞した」

2.「異常型プリオンはヤギにも病気を起こす」

3.「『ウシ海綿状脳症』(BSE)とは、ウシの腸がスポンジ状になる病気である」

4.「プリオンは、もともとヒトにも無害のタンパク質として存在しているものだった」

答え:1.「○」、2.「○」、3.「×」、4.「○」

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