「ラントシュタイナー,K(1868~1943)」(オーストリアの免疫学者)

■生理学・医学賞(1930年 受賞)

【経歴】

1868年6月14日ウィーンに生まれる。91年ウィーン大学卒業、医学の学位を取得。98年ウィーン大学病理解剖学研究所助手。1922年アメリカへ移住、ニューヨークのロックフェラー研究所入所。30年ノーベル生理学・医学賞受賞。43年6月26日ニューヨークの研究室で心臓発作のため死去(享年75歳)。

【受賞理由となった業績や活動】

★〔受賞理由〕

「血液型の発見と研究」により、1930年ノーベル生理学・医学賞受賞。

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★〔その業績や活動〕

「あなたの血液型は?」と聞かれたとき、たいていの人は、「自分はA型だね」とか「オレはO型だ」と即座に答えられることだろう。

しかし、なんでまたA、B、AB、O型などの違いがあるのか?それは、A型は几帳面で神経質、そしてB型は理知的で行動的・・・などの血液型(性格)占いのためなのか?もちろん、そんなことはない。

事故などで出血がひどいとき、輸血をしてもらうが、そのときに、もし自分の血液型と異なる血液を輸血されてしまうと、血液が凝集してしまい、危険な状態となることはご存知だろう。こんなことになれば、出血が原因ではなく、皮肉なことに、輸血が原因で命を落とすことにもなってしまう。

実際にも、誤った血液型を輸血されたために、死んでいった人は(医学史上)数多くいるのだ。現代においてさえ、稀にそうした輸血事故が起こっている。

カール・ラントシュタイナーの業績は、まさにこの「血液型の発見とその研究」にある。彼は、個人の血液の中には、いくつかの異なるタイプの抗原(血液型)があると考えた。

そして、同じタイプの型どうしで輸血をしないと、血液が凝集して致命的な結果になることを、はじめて示したのである。

こうして、人間の血液型がA、B、AB、O型の4つの型に分類されるという学説と、その識別の方法なども発表。これによって1930年に受賞したのである。

★〔「ABO式血液型」の「O型」の意味とは〕

「血液型を4つのタイプに示すのなら、アルファベット順にA、B、C、Dにしたらよかったのでは?」という質問があった。つまり、A型とB型はいいとして、なぜ、AB型とかO型という表現をするのか、ということだ。

実は、AB型というのは、AとBの両方の抗原をもつため、そして、O型はAとB両方の抗原とも持たないためゼロ、すなわちその形を示す「O」で示したものだったのだ。

★〔「これだけは!」○×クイズ〕

次の設問に、「○か×か」で答えよ。

1.「ラントシュタイナーの業績は、『血液型の発見とその研究』にある」

2.「ヒトによっては、AT型という血液型もある」

3.「B型のヒトには、A型の血液を輸血できる」

4.「輸血が原因で命を落とすこともある」

5.「『血液型の発見と研究』により、1930年にノーベル化学賞を受賞した」

6.「AB型の血液をもつヒトは、AとB両方の抗原をもっていない」

7.「O型の『O』(オー)は、『大らか』(英語では『オープン:OPEN』)の頭文字から付けられたものである」

8.「ABO式血液型は、1900年に発見されている」

答え:1.「○」、2.「×」、3.「×」、4.「○」、5.「×」、6.「×」、7.「×」、8.「○」

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