■生理学・医学賞(1904年 受賞)
【経歴】
1849年9月14日(他に27日説も)リャザニで牧師の長男として生まれる。70年神学校をやめてペテルブルク大学理学部生物学科入学。75年卒業、外科医学校に進学。83年ペテルブルク陸軍医学校講師。84年から86年までドイツ留学。90年軍医学校教授。1904年ノーベル生理学・医学賞受賞。07年ロシア科学会会員。36年2月27日レニングラードで死去(享年86歳)。
【受賞理由となった業績や活動】
★〔受賞理由〕
「消化腺生理学の研究」に対して、1904年にノーベル生理学・医学賞受賞。
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★〔その業績や活動〕
パブロフが、ノーベル生理学・医学賞受賞の理由となった研究テーマ「消化の生理」に関心をもち、本格的な研究をはじめるのは、1884年から86年までのドイツ留学の後のことである。とくに、1889年に生理学者たちを驚かした「ウソの食事の実験」と呼ばれる、彼の実験は有名である。
これは、首に穴をあけられ、さらに食道を切断され、その上端が首の穴につながるように手術をされた実験動物のイヌを用いたものである。手術をされたイヌは、いくら食物を食べても、それが食道の切り口から外へ落ちてしまい、胃には届かない。
しかし、パブロフは、どうしてこんな残酷な実験をしたのだろうか?それは、口から食物が届かなくても、ただ食物を食べるという刺激(口で受けた神経の刺激)だけでも、それが脳へと伝わることで、胃液の分泌は促される、ということを証明するためだったのだ。
実際、実験用のイヌが食物を与えられると、その胃では胃液が溢れ出ることが観察された。それで、(イヌにとっての)「ウソの食事」というわけである。こうした分泌は「無条件反射」によるのだ。
また、胃液の分泌を引き起こすと思われる神経を切断したところ、こんどはイヌが食物を食べても、胃液は分泌されないことも観察され、この実験はますます確信を深めていった。こうした研究業績により、1904年にパブロフはノーベル生理学・医学賞を受けたのだった。
★〔「パブロフのイヌ」とは〕
パブロフと聞くと、無条件に「パブロフのイヌ」のことを思い起こす人もいるだろう。これは、「条件反射」の実験のことだ。
まず、空腹のイヌに食物を見せると同時に、必ず鈴を鳴らすなどして、(これを繰り返しておき)鈴の音と食物という刺激を、いわば人為的に結びつけておく。
その後に、こんどは鈴の音だけを聞かせてみたとき、イヌは食物を見ていないにもかかわらず、唾液を分泌するようになる。
鈴の音だけでも、それが「食物」と結びつき、その結果、唾液を分泌させる刺激となったのである。条件付けられた反射というわけだ。
★〔「これだけは!」クイズ〕
1.「パブロフが、ノーベル生理学・医学賞受賞の理由となった研究テーマは?」
2.「パブロフはどこの国の生理学者だったか?」
3.「『パブロフのイヌ』とは、何の実験のために用いられたものか?」
4.「鈴の音だけで唾液を分泌するようになることを、何というか?」
5.「パブロフが生理学者たちを驚かした有名な実験の名は何というか?」
6.「梅干を見ただけで唾液が出てくるのは何反射であるか?」
7.「赤ん坊が灯油ストーブに触ろうとして、思わず手を引っ込めた。これは何反射か?」
答え:1.「消化の生理」、2.「旧ソ連」、3.「条件反射の実験」、4.「条件反射」、5.「ウソの食事の実験」、6.「条件反射」、7.「無条件反射」
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