ノーベル経済学賞を受賞した経済学者のサイモンは知らなくても、「人工知能の父」と呼ばれたサイモンのことなら、知っている人もいるかもしれない。もちろん、同一人物のサイモンのことだ。
サイモンは、コンピューターが誕生してまもない20世紀の中頃にすでに、それが将来において、人間の脳に匹敵する能力をもつ可能性なども指摘していた。つまり、「人工知能」(AI:Artificial Intelligence)の可能性である。
さらにコンピューターの将来についても、具体的に幾つかの予言をしていた。予言の内容は、10年後のそれは「チェスで人間に勝っているだろう」、「数学上の新しい定理を証明しているだろう」、「人間の心理が読めるようになっているだろう」といったもの。
で、その10年後、残念ながら、どれ一つ実現されたものはなかった。そのため、サイモンは「ほら吹き」呼ばわりされてしまったという。
スポンサーリンク
しかし、予言から30年後であれば、それらのうち、「コンピューターが、チェスの世界チャンピオンを破ったこと」、「数学上の難問(四色問題)を解いたこと」などが当たっていた。10年後といわず、30年後といっておけば、よかったのだ。
しかし、30年以上経っても、「コンピューターが、人間の心理を読めるようになるだろう」という予言だけは当たっていない。
それが実現するのは、さらに何十年も先のことなのか、それとも永遠に当たらないのだろうか?
サイモンはそれを見届けないうちに、逝ってしまった。
関連記事(一部広告含む):
- 意思決定の過程
- 「サイモン, H. A.(1916~85)」(アメリカの経済学者)
- 経済現象にも『周期性』が存在している!?
- 民主化運動の女性リーダーは、学生時代から勤勉で、優秀だった!
- 『GNP』と『GDP』の違いについて