1988年、国軍は全権を掌握した「国家法秩序回復評議会」(SLORC)、つまり「軍事政権」を成立させ、89年2月になると、「翌年5月に、総選挙を実施する」と発表した。
一方、民衆側はアウン・サン・スー・チーを書記長とした、「国民民主連盟」(NLD)を結成しており、国軍が発表した「翌年の総選挙」に彼女も出馬することになった。
ところが、「国家法秩序回復評議会」(SLORC)の不法な権力によって、彼女は選挙資格を略奪され、しかも自宅に軟禁されてしまったのだ。彼女の自由を奪い取ることで、民主化運動の影響力が民衆に及ばないようにするためである。
それでも、翌年(90年)に実施された総選挙の結果は、「国民民主連盟」(NDL)の圧勝であった。それにもかかわらず、「国家法秩序回復評議会」(SLORC)は政権委譲を拒否。彼女も軟禁されたままであった。 続きを読む 武力と権力を背景にした軍事政権 VS 暴力を否定した女性戦士