■生理学・医学賞(1924年 受賞)
【経歴】
1860年5月22日ジャワのサマランで生まれる。78年オランダのユトレヒト大学入学。85年医学の学位を取得。86年ライデン大学生理学教授。1924年ノーベル生理学・医学賞受賞。受賞から3年後の27年9月29日、ライデンで死去(享年67歳)。
【受賞理由となった業績や活動】
★〔受賞理由〕
「弦電流計の発明とこれによる心電図の案出」により、1924年ノーベル生理学・医学賞受賞。
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★〔その業績や活動〕
心臓の検査をするとき、今では心電図をとったりするが、その基本をつくりあげたのが、19世紀後半のオランダの生理学者アイントホーフェンなのである。
現在行われている心電図の検査(心電計)では、電位の変化などをみて、そこから心臓の異常の有無(健康な状態と病気の状態とでの違い)を調べているが、当時(19世紀後半)はまだ、そこまで精度のよい心電計はなかった。
その精度を高め、検査にも応用できるようにしたのが、アイントホーフェンというわけである。つまり生体電気を増幅する「弦電流計」を発明したのだった。
アイントホーフェンはさらに、この弦電流計を用いて、生体電気、とくに心臓によって起こる電気的な現象の研究を続けた。
やがて、心臓による電気的現象においては、その規則的な電位の上昇と下降、またその波形そのものにも、病気との相関があることを発見。つまり、これが病気の診断にも応用できるということを示したのだ。
こうして、アイントホーフェンは、今の心電計の基礎となるものをつくり(弦電流計の発明)、また心電図の医学的応用を成し遂げた、その業績で、1924年にノーベル生理学・医学賞を受賞したのだった。
★〔「弦電流計」とは〕
彼の時代、すでにヒトをはじめ、動物の体内では電位が発生していることが知られていた。とくに心臓のように、ダイナミックな動きをする器官から発生する電位は、とりわけ大きいことが想像できるだろう。
オランダのユトレヒト大学で医学を学び、物理学にも強い関心を寄せていたアイントホーフェンも、この心臓の動きに由来する電流をどうにか増幅して、これを正確に測定できないものかと、常日頃考えていたのだ。
そして、ついに「弦電流計」というものを考案。それは、わずかな生体電気の変動をも十分に記録できるように、磁界の中に細かい導線を張ったものだった。
★〔「これだけは!」クイズ〕
1.「アイントホーフェンは、どこの国の生理学者だったか?」
2.「アイントホーフェンは、生体電気を増幅するために何を発明したか?」
3.「心電図の検査では、心臓の異常の有無を調べるために、何を見ているのか?」
4.「『弦電流計』は細かい導線を磁界の中に張って、何を記録しようとしているのか?」
5.「アイントホーフェンの作った『弦電流計』は、現在何と呼ばれているか?」
6.「アイントホーフェンは、どこの大学の教授であったか?」
7.「心臓による電気的現象を調べて、何に役立てようとしたのか?」
答え:1.「オランダ」、2.「弦電流計」、3.「電位の変化」、4.「わずかな生体電気の変動」、5.「心電計(E.E.G)」、6.「ライデン大学」、7.「病気の診断」
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