サイモンは、『人工知能の父』とも呼ばれていた

ノーベル経済学賞を受賞した経済学者のサイモンは知らなくても、「人工知能の父」と呼ばれたサイモンのことなら、知っている人もいるかもしれない。もちろん、同一人物のサイモンのことだ。

サイモンは、コンピューターが誕生してまもない20世紀の中頃にすでに、それが将来において、人間の脳に匹敵する能力をもつ可能性なども指摘していた。つまり、「人工知能」(AI:Artificial Intelligence)の可能性である。

さらにコンピューターの将来についても、具体的に幾つかの予言をしていた。予言の内容は、10年後のそれは「チェスで人間に勝っているだろう」、「数学上の新しい定理を証明しているだろう」、「人間の心理が読めるようになっているだろう」といったもの。

で、その10年後、残念ながら、どれ一つ実現されたものはなかった。そのため、サイモンは「ほら吹き」呼ばわりされてしまったという。 続きを読む サイモンは、『人工知能の父』とも呼ばれていた

意思決定の過程

「意思決定」とは、「諸前提から結論を選択する過程」のことを指し、その過程には、「意思決定前提」→「代替案の列挙」→「代替案の選択」という流れがあり、これを経て成り立つと考えられた。

★「意思決定前提」には、

1.「価値前提」(経験的な検証不可能);主観的な価値観から意味を有するもの

2.「事実前提」(経験的な検証可能);客観的な真実を有するもの(知識、技術、情報)

とがある。 続きを読む 意思決定の過程

「サイモン, H. A.(1916~85)」(アメリカの経済学者)

経済学賞(1978年 受賞)

【経歴】

1916年6月15日アメリカ・ウィスコンシン州ミルウォーキーに生まれる。36年シカゴ大学卒業、同大学研究員。39年カリフォルニア大学行政研究所研究員。42年イリノイ工科大学助教授。43年政治学博士号(シカゴ大学)取得。47年イリノイ工科大学教授。49年カーネギー・メロン大学教授。69年特別科学貢献賞受賞。75年A.M.チューリング賞受賞。78年ノーベル経済学賞受賞。2001年2月9日死去(享年84歳)。

【受賞理由となった業績や活動】

★〔受賞理由〕

「経済組織内における意思決定過程に関する一連の研究」に対して、1978年ノーベル経済学賞受賞。 続きを読む 「サイモン, H. A.(1916~85)」(アメリカの経済学者)

「フリードマン, M.(1912~)」(アメリカの経済学者)

経済学賞(1976年 受賞)

【経歴】

1912年7月31日アメリカ・ニューヨーク市ブルックリンに生まれる。32年ラトガーズ大学卒業、シカゴ大学大学院に進学。33年修士号取得。同年コロンビア大学に移る。35年NRC(国家資源委員会)研究員。37年NBER(全米経済研究所)研究員。40年ウィスコンシン大学客員教授。41年連邦政府財務省租税調査局主任研究員。43年コロンビア大学統計調査グループ次長に就任、戦時経済研究プロジェクトに携わる。45年博士号取得、ミネソタ大学助教授。46年シカゴ大学准教授。48年同大学教授。57年行動科学高等研究センター研究員。66年アメリカ経済学会会長、マーシャル計画事務局顧問、インド財務省顧問。76年ノーベル経済学賞受賞。77年スタンフォード大学フーバー研究所上級研究員。

【受賞理由となった業績や活動】

★〔受賞理由〕

「通貨理論に関する一連の研究」(消費分析・通過理論の実績と経済安定政策の実証など)に対して、1976年ノーベル経済学賞受賞。 続きを読む 「フリードマン, M.(1912~)」(アメリカの経済学者)